雨
- crimson1117 & chome_17
- 2019年2月12日
- 読了時間: 1分
雨の日だった。
冷たさは感じなかった。
いつからだろう。ここにいたのは。
思い出せないくらい前だったのかもしれない。
コンクリートの地べたに体育座り。
道ゆく人は私のことに気付きはしない。
皆一生懸命なのだ。
皆自分のために生きているのだ。
皆孤独なのだ。
ある日、傘が差し出された。
毎日、毎日、あなたは会いに来てくれた。
いつからだろう、孤独に冷たさを感じるようになったのは。
暖かさを知ってしまっていた。
私たちは一緒に歩くようになった。
傘の中は暖かかった。
いつからだろう。
あなたの傘の中に私はいなくなっていた。
歩む速度は変わってしまっていた。
1歩分、2歩分。
背中を追うだけの毎日。
私たちの距離は少しずつ離れていった。
見えなくなっていた。
失うこと怖さに走り出した。
見えた傘の中は、満たされていた。
そこに私の姿などなくても。
二度と、振り向いてはくれなかった。
雨の日だった。
冷たかった。
降り止むことはなかった。
bgm.雨/森高千里
「わかる? となりの町が別世界だった頃に。
その頃に、わたしたちはもう一度もどるべきなんだよ。
そのときに、わたしたちはもう一度思い出すの。
本当に大切だったもの、自分自身」
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